2018年3月12日月曜日

「行動記録表」の活用し、一日一日に変化をつける


精神的な疲れがたまってくると、生活習慣が乱れ、そのために気分が優れなくなってしまうことがあります。
気分が沈みこむと、ますます生活が乱れるという悪循環が繰り返されることになります。

休職される方も同じで、休職開始してすぐやリワークを開始する際には、生活リズムが乱れていることがよくあります。
従って、リワークにおいて最初にすることは、生活習慣を立て直し、規則正しい生活リズムを獲得することです。
その方法としては、毎日、リワークデイケアに通っていくことで自然と生活リズムを整えていくこともありますが、キウイでは「行動記録表」を毎日つけていただくことで、利用者様に日々の生活の確認と改善を図っています。

今回はその「行動記録表」についてご説明します。

「行動記録表」には次のようなことを記載して頂いています。
①うつ気分、不安、焦燥感、億劫感、睡眠障害、身体症状のチェック
②その日の1時間ごとの予定
③その日の1時間ごとの実績

①については、キウイ利用開始時から毎日確認していくと、だんだんと改善していくことが記録として残っていきます。
記録として残ることがとても重要です。
記録として残らないとなかなか体調や気分の改善を実感できませんが、記録として残ることで見直すことができ、改善を実感することができます。

②についてのポイントは、”予定を作ることができるか”どうかです。
気分の落ち込みや体調が本調子でないと、まず予定を作ることができません。
そのため、予定を作ることができるという点も回復具合を見ていくうえで重要です。

そして、予定をたてたら今度は”実際に予定通りに行動できたか”どうかを確認することが大切で、それが③のポイントです。
予定通り行動できているという点も回復具合を判断するポイントになります。

そのようにして、生活リズムが整ってきたら今度は「行動記録表」を用いてより充実した生活の方法を探っていきます。
ポイントは”ささやかな行動の変化を取り入れてその変化を味わうこと”です。
ささやかな行動の変化とは、例えば…
・ボランティアに参加する
・部屋の環境を変える(植物や花を買ったり、写真を飾ったり、家や庭の掃除をする)
・一日の決まった時間、あるいは特定の出来事が起きたとき、していることを止めて、肩
 から力を抜き、深呼吸をする
・笑える映画や、温かい気持ちになる映画を見る
・かつて楽しんだ活動をしてみる
・周囲を見渡して、人間観察をしてみる
・普段とは違う道で帰る
などです。
大きすぎる変化は、大きなストレスとなるため、”ささやかな”が重要です。

ささやかな行動の変化を行ったら、その変化をしてみて、どうだったのか意識的に振り返ります。
振り返ってみて、役に立ったのであれば、日常生活に取り入れて、役に立たなければ、違う方法を考えてみてください。
そのようにして、日常生活の行動を変化させていきます。

そのため「行動記録表」は休職中だけでなく、復職後もより良い生活を築いていくうえでとても役立つと思います。



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https://www.urawamisono-katayamaclinic.jp