2018年11月28日水曜日

12月の壁紙づくり


土曜日のキウイは、復職された方も多く参加されます。
復職後もフォローアップとして、参加していただくことで、復職後のフォローをしています。

復職された方のお話は、復職を目指されている休職者にとっても貴重です。
そのため、復職された方と休職された方が、のんびりと作業をしながらお話ができるプログラムとして、『壁紙づくり』を始めました。
壁紙づくりは、毎週、土曜日に行います。

11月に作成した12月用の壁紙がコレです。



なかなかに可愛らしいですよね!

「復職後の仕事量はどうですか?」、「復職後の職場の方の雰囲気は、どうですか?」、「復職してから困ったことありませんでした?」っといった仕事に関するお話はもちろん、「ここのデザインは、どうしよう?」、「久しぶりに折り紙をしたけど、難しい~(笑)」といった壁紙自体に関するお話をしながら作りました。
なかには、事前にデザインや作りたいものを考えてくる方もいました。


「子どもっぽい」っと感じられる方もいられるかもしれませんが、たまには童心に返ってみるのも良いのかもしれませんね。

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2018年11月16日金曜日

リワークで必要なこと『精神科に対する抵抗を和らげること』


厚生労働省が3年ごとに全国の医療機関に対して行っている「患者調査」によると、平成26年に医療機関を受療したうつ病・躁うつ病の総患者数は112万人です。
また、10年、20年前と比べると、精神科クリニックの数が増えたと感じられる方も多くいるのではないでしょうか。
それにより、症状が悪化する前に早めに治療を受けられる方も多くいます。
また、そのように早めに治療を受けられ方の方が、休職期間も短く、復職後も安定している印象です(リワークを利用された方に限りますが)。

しかし、治療機関が増え、うつ病という病気が広く知られるようになった一方で、精神科にかかることを敷居が高いと感じられる方も多くいます。
実際にキウイでも、利用してすぐの方からよく「まさか自分がうつ病になるとは思わなかった」、「精神科の病院に来ることにとても抵抗があった」といったお話をよく聞きます。
このような気持ちが強ければ強いほど、「普通の人は、普通に働けているのに、働くことができないなんて、自分は無能だ」と思い、外出や周囲の支援を求めることが出来なくなるため、回復の重大な妨害要因となるとされています。

そのため、キウイでは、様々なプログラムを行っていますが、そのような気持ちを和らげることがとても大切だと感じています。
その気持ちを和らげることが、休職し復職された方がよりよく生きるうえで力になると考えているからです。

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2018年10月17日水曜日

健康な人の”憂うつな気分”とうつ病の人の”憂うつな気分”の違い


うつ病は、憂うつな気分が深刻な状態です。
しかし、憂うつな気分は、人間であれば誰しもが感じることでしょう。
それでは、健康な人の”憂うつな気分”うつ病の人の”憂うつな気分”には、どのような違いがあるのでしょうか?
今回は、その点についてご紹介します。

健康な人の”憂うつな気分”は、一時的な状態です。
ストレスがかかると、不安や悲しみ、恐怖といった辛い感情を確かに感じますが、ストレスの原因から離れれば、その辛い感情は和らぎます
また、趣味の活動をしたり、好きなものを食べたりすることで気分転換できるレベルのものです。
仕事をしていると当然、憂うつな気分になることがありますが、仕事が終わり、職場を離れたり、休日になったりすると気分が改善できる状態とも言えます。

一方、うつ病の人の”憂うつな気分”は、一時的ではなく長期間続いてしまう状態です。
具体的な期間としては、2週間以上と言われています。
このレベルの”憂うつな気分”になると、ストレスの原因から離れても、辛い感情が継続し続けることも珍しくありません。
睡眠障害や様々な身体症状(首や肩のコリ、身体のしびれなど)をともなうこともあります。
仕事でストレスを感じ、職場から離れても、自宅や帰宅中に仕事のことを思い出してしまい、ずっと気持ち晴れないっということは、よくあります。
また、”憂うつな気分”を感じ続けることで、どんどん憂うつな気分もひどくなってしまう場合もあります。
このような状態になると、今まで楽しいと思っていた趣味が楽しく感じなくなり、意欲が低下してしまい、仕事以外に外出することが少なくなってしまいます。

うつ病の人の”憂うつな気分”は、このような状態になります。
冷静に自分を振り返ってみて、このような状態が見られたら、注意が必要です。


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2018年9月28日金曜日

うつ病と疑われる症状には、どのようなものがあるのか?


キウイは、うつ病などによって休職された方が復職し、再休職しないように支援することも目的としています。
「うつ病」という言葉を聞くと、”気分が滅入る病気”とイメージされるかもしれませんが、それだけではありません。
そこで、今回は、うつ病と疑われる症状にはどのようなものがあるのかご紹介したいと思います。

①身体症状
(例)
・首や肩、腰の痛み
・体のしびれ
うつ病は、心の病なので身体症状をイメージしにくいかもしれません。そのため、はじめは整形外科などに通ってみるもののなかなか改善せず、めぐりめぐってうつ病だったとわかる方も多くいます。めぐりめぐっている間に、うつ病の状態がどんどん深刻化してしまうこともあります。うつ病には、身体症状もあることを覚えてほしいなあっと思います。

②睡眠の変化
(例)
・夜中に何度も目が覚めてしまう
・朝、起きることができない
・寝ようと思っても、なかなか眠ることができず何時間もたってしまう
睡眠の変化は、うつ病に特徴的な症状です。そのため、キウイのプログラムでも睡眠をテーマにすることが多くあります。また、睡眠の改善には服薬も重要で、キウイでは医師と協力して利用者様のサポートをしています。

③気分の落ち込みや意欲の低下といった精神症状
(例)
・気分の落ち込み
・朝の気分の悪さ
・意欲の低下
・今まで楽しいと感じていたこと(趣味など)が楽しいと感じられない
うつ病と聞いてイメージしやすい症状がコレかと思います。ただ、精神症状といっても表れ方は、人によって多少異なってきます。例えば、気分の悪さと言っても、平日の朝に強く感じる人もいれば、日曜日の夜に強く感じる人もいます。

このようにうつ病といっても様々な症状があります。そのため、人によって症状の表れ方も異なります。ある人は、睡眠の変化と精神症状が表れるかもしれませんが、別の人は、身体症状のみが表れるかもしれません。
また、回復の過程もすべての症状が同じスピードで回復するわけではありません。精神症状と身体症状は、休職してすぐに改善するかもしれませんが、睡眠の変化はなかなか改善しないこともあります。

うつ病は、人それぞれ症状が異なり、回復過程も異なることを知ってほしいと思います。

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2018年8月21日火曜日

ストレスに対する対処(コーピング)のポイント

キウイでは、2か月に1度、プレゼンテーションの練習をプログラムとして行っています。
プレゼンテーションは、チームで行い、テーマは様々です。
そのプレゼンテーションですが、8月は13日に実施しました。
テーマは、「他者のストレス場面に対する対処」を提案するでした。

ストレス場面に対する対処のことを、コーピングと言います。
今回は、このコーピングについてご紹介したいと思います。

コーピングには、下記の通り、2種類あります。

①認知的コーピング
ストレスを感じた場面での考え方を切り替えるコーピングです。
人は、ストレス場面での考え方によって、さらに自分のストレスを高めてしまうことがあります。
何か不安な考えが生じると、どんどんとその不安な考えが広がって、大きくなってしまうと言うことです。
そのため、自分で自分を追い込んでいるような考え方(認知)を、より合理的でバランスの良い考え方に変えることで、ストレスを軽減するのが、このコーピングです。

②行動的コーピング
ストレスを感じた場面での行動を切り替えるコーピングです。
認知的コーピングと同じように、ストレス場面では、自分で自分を追い込んでしまうような行動をとっているかもしれません。
そのため、ストレス場面での自分の行動を確認し、よりストレスに対して有効な行動をすることで、ストレス場面に対処するのが、このコーピングです。

これらのコーピングをストレス場面で行い、ストレスに対処することが重要です。
また、コーピングもただ用意するのではなく、実行可能性が高く、ストレス場面に対して効果的なものをたくさん用意することが必要です。

これが意外と難しいです。
そのため、今回、キウイでは、プレゼンテーションのテーマとして、「他者のストレス場面に対する対処(コーピング)」を設定し、参加された方に考えてもらいました。

復職するまでに、コーピングを生み出す能力を高めていただき、再発を防いでほしいと思っています。

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2018年7月11日水曜日

プログラム説明「認知再構成法」


キウイでは、認知再構成法をプログラムとして行っています。
認知再構成法は、認知行動療法の一つで、”ストレスを感じる場面で、考え方(認知)を変える”ことでストレスを和らげる方法です。

例えば、部下へ適切に指示をすることができず、お客様を怒らせてしまい、上司から叱責を受けた場面を想像してみてください。
その時に、
「部下にうまく指示を出せない自分が許せない」、
「なぜ注意深く部下に指示をすることが出来なかったのだろう」、
「自分は管理職には向いていない」、
「この会社で働き続けることは難しいのではないか」
など考えが頭に浮かんだとします。
このような考えが浮かんだら、どのような気分になるでしょうか?
きっとひどく落ち込み、不安を感じ、自責の念を抱くのではないでしょうか。
しかし、これらの考えは強くネガティブな主観が入り、合理的でないことが多いです。

認知再構成法では、これらの考えをもう少し合理的で、バランスの良い考え方にすることで、気分の改善を図ります。
例えば、
「部下にうまく指示を出せなかったことで、自分を許せない気持ちになるのも無理ないけれど、うまく指示を出すことができて、お客さんに喜んでもらえたこともあるから、いたずらに自分を責めるのは違うのではないか」
「今回、うまく指示をすることができなかった原因を把握して、次回に活かそう」
「うまく指示を出すことができ、結果を出せたこともあるので、今回のこの出来事だけで管理職に向いていないとはいえないだろう」
「今までこの会社での勤務が評価されて、管理職という立場になっているのだから、今回のこの出来事だけで、”この会社では働くことはできない”と思うのは極端だろう」
…このように考えられると、どうでしょうか?
きっと少しは、気分の落ち込みを和らげられるのではないでしょうか。

バランスの良い考え方は、自分にとってしっくりくるものを考えだすことが大切です。
はじめのうちは、なかなかバランスの良い考え方が思い浮かばないかもしれません。
その際は、
「他の人だったら、自分と同じような状況で、どんなふうに考えるだろう?」、
「親しい人が自分と同じ状況で、同じように考えて悩んでいたら、自分はどのような言葉をかけるだろう?」
と問いかけてみると良いかもしれません。
そのように他者の立場にたって、ストレス場面を振り返ることがポイントなのだと思います。


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2018年6月7日木曜日

プログラム説明「個人ワーク発表」


キウイでは、「個人ワーク」というプログラムを用意しています。
これは、利用者様一人ひとりが個別の課題を設定し、取り組んでいくプログラムです。

個人ワークについては、『プログラム説明「個人ワーク」』をご覧ください。

そして、キウイでは「個人ワーク発表」というプログラムも用意しています。
「個人ワーク発表」は、個人ワークとして取り組んだ内容を資料としてまとめ、発表してもらうプログラムです。
資料には、下記のようなことを記載してもらいます。
①個人ワークとして取り組んでいること
②個人ワークとして①を行っている理由
③個人ワークの進捗状況
④個人ワークを取り組んだ感想

この「個人ワーク発表」プログラムがあることで、個人ワークの質も高まっていると思います。
その理由としては、何よりもこのような発表の機会が月に1度あることで、それを意識して、計画的に個人ワークを行えるようになると言えます。
また、目的意識をもって個人ワークに取り組むことができるでしょう。
例えば、キウイのプログラムでアンガー・マネジメントが紹介された際に、それに興味を持ち、個人ワークとして取り組む方がいるかもしれません。
その結果、自主的にアンガー・マネジメントに関わる書籍を購入するといった自発性を促すことができます。

また、そのように各自が工夫した個人ワークを発表することで、利用者様一人ひとりの効果的な取り組みを他のメンバーに共有することができます。
実際に、「個人ワーク発表」プログラムを行うと、「私もそれをやってみようかな」っと言うような意見がたくさん聞かれます。
他の方からそのような意見を頂けば、発表された方はさらに自身の取り組みに自信を持てるのではないでしょうか。

そして、最終的には、少しでも前向きに、楽しく個人の課題を乗り越えることに役立っているのではないかと思います。
個人の課題に取り組むことは、休職原因と強く関わるので、基本的には辛く、苦しいものになるでしょう。
しかし、そのような辛く、苦しいものの中にも意味を見出し、楽しさや面白さを見つけることが大切なのではないかと思います。
この点は、仕事にも言えるのではないでしょうか。
仕事も同じように辛く、苦しいことが多いと思います。
しかし、そのような仕事の中にも意味や楽しさ、働きがいを見出すことが重要なのだと思います。
それを見つけることが、リワークの目標である、再休職を防ぐことにつながるのだと思います。

以上のような理由から、「個人ワーク発表」プログラムがあることで、利用者様の個人ワークが質が高く、その人らしさが表れたものになっているように思います。
キウイでは、キウイを卒業される方に卒業資料を作成して頂いていますが、その資料もまた利用者様一人ひとり個性あふれるものとなっています。
それもまた「個人ワーク発表」の効果と言えるように思います。



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2018年5月19日土曜日

プログラム説明「個人ワーク」

リワークデイケアは、休職者や退職者の集団を対象とした復職支援プログラムです。
そのため、どの利用者様に対しても、キウイでの治療の目的は、『再休職の予防』です。
しかし、休職している、退職している、復職・再就職を目指している点では、どの利用者様も共通ですが、そこに至るまでの背景やプロセスは、利用者様個人個人によって異なります。
その違いを考慮すると、全体を対象とした集団プログラムだけでは限界があり、できる範囲で、個人にとって必要なことについても取り組むことが、復職・再就職する上では重要です。

その一環として、キウイでは、「個人ワーク」というプログラムを設けています。

個人ワークは、利用者様一人ひとりが個別の課題(※)を設定し、取り組んでいく時間です。
※スタッフとの面談の中で、設定する場合もあります

設定する課題は、実に様々です。
たとえば、以下のようなものがあります。
①読書
……休職してしまうと文章を読むことが辛くなってしまう場合があります。そのため、文章を読む能力の回復を目的として取り組まれている方がいます。あるいは、もともと本を読むことが好きでよく読んでいたけれども、仕事が忙しく気づいたら好きな読書をしていなかったという方もいます。そのような方は、意欲の回復を目的として読書をされています。
②資格の勉強
……お仕事によっては、資格の取得を求められる職種があると思います。そのような職種では、仕事をしながら資格試験の勉強をしなければなりませんが、仕事をしているとなかなか勉強時間をとることができない場合があります。そのため、休職の時間を少しでも有意義な時間とするために、仕事をしていない時間を利用して資格の勉強をされる方がいます。休職中も仕事に関する資格の勉強をすることで、仕事の感覚を少しでも維持することにつながるように思います。また、仕事とは全く違う資格の勉強をすることで、興味・関心の回復を図ろうとされている方もいます。
③休職原因の分析や対策の検討
……多くの利用者様が行っている個人ワークがこれになります。ただ、取り組み方は、本当に様々です(利用者様一人ひとりが休職までの経緯が異なることを考えれば当然のことと言えます)。例えば、他のリワークプログラムの中で、「自分にとって必要だ」、「役に立つ」と思ったプログラムを個人ワークの時間の深めていく方がいます。熱心な人は、個人的に参考書を購入し、取り組まれる方もいます。また、リワークで紹介していない別の自分なりの方法を調べたり、編み出したりして対策を検討される方もいます。

他にも様々な目的のもと、様々な内容が個人ワークとして行われていますが、重要なことは、「再発しないために、どのような課題を設定し、その課題に対してどのように取り組むのか」だと思います。
この課題設定と取り組み方の検討には、ある程度、試行錯誤的な面があり、利用者様の主体性が必要です。
利用者様の主体性を高めるために、キウイでは「個人ワーク発表」(※)というプログラムを用意しています。
※「個人ワーク発表」プログラムについては、後日、紹介します
「個人ワーク発表」プログラムがあることで、利用者様の個人ワークも質が高いものになっているように感じます。
質の高い個人ワークを行えれば、それだけ復職時の自信に繋がり、再発を防ぐことにつながると考えています。



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2018年4月12日木曜日

休職に対するポジティブな意味を見つけること


この記事を読まれている方は、「休職」についてどのように感じますか?
世の中の多くの方が、休職することなく、働かれていると思うので、どちらかというとネガティブな印象を抱かれるのではないでしょうか。
そのネガティブな印象というのは、多かれ、少なかれ、キウイを利用されている方々にもあるのかもしれません。
例えば…
・「休職」することは、なんだか負けた感じがする
・平日に会社に行かないでいる所を、他の人に見られたら恥ずかしくて嫌だ
・「休職」すると収入がなくなり、今まで通りの生活ができなくなる

このような印象が、「休職」した後も強くありつづけると、どうでしょうか。
このような印象は、ある意味、休職した”自分”を否定することになってしまいます。
自分を否定することは、休職した自分を受け入れることを困難にします。
この困難な状態は、非常に厄介です。

リワークデイケアを利用する目的は、休職原因を分析し、対策を立てることです。
しかし、休職した自分を受け入れることができていないと、休職原因を分析することができません。
例え、復職できたとしても、「休職」した時間を黒歴史(無かったことにしたい過去)として、捉え続けることは、あまり好ましい状況とは言えません。
「休職」は、確かに経験する必要がなければ、しない方が良いですが、経験することになったのであれば、その「休職」した時間も、人生の一部なので、少しでも有意義で、意味のある時間にするべきです。

例えば…
・「休職」したことで、働いていた時には取れなかった家族との時間を得ることができる
・改めて、今までや今後のキャリアについて冷静に考えることができる
・忙しく働いていた時には行うことができなかった、資格の勉強をする

このように、「休職」したことに対して、ポジティブな意味づけも行っていただきたいと思っています。
それができることによって、休職前とは違う働き方が可能となり、再発を防ぎ、より自分らしい生き方ができるのではないでしょうか。


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2018年3月12日月曜日

「行動記録表」の活用し、一日一日に変化をつける


精神的な疲れがたまってくると、生活習慣が乱れ、そのために気分が優れなくなってしまうことがあります。
気分が沈みこむと、ますます生活が乱れるという悪循環が繰り返されることになります。

休職される方も同じで、休職開始してすぐやリワークを開始する際には、生活リズムが乱れていることがよくあります。
従って、リワークにおいて最初にすることは、生活習慣を立て直し、規則正しい生活リズムを獲得することです。
その方法としては、毎日、リワークデイケアに通っていくことで自然と生活リズムを整えていくこともありますが、キウイでは「行動記録表」を毎日つけていただくことで、利用者様に日々の生活の確認と改善を図っています。

今回はその「行動記録表」についてご説明します。

「行動記録表」には次のようなことを記載して頂いています。
①うつ気分、不安、焦燥感、億劫感、睡眠障害、身体症状のチェック
②その日の1時間ごとの予定
③その日の1時間ごとの実績

①については、キウイ利用開始時から毎日確認していくと、だんだんと改善していくことが記録として残っていきます。
記録として残ることがとても重要です。
記録として残らないとなかなか体調や気分の改善を実感できませんが、記録として残ることで見直すことができ、改善を実感することができます。

②についてのポイントは、”予定を作ることができるか”どうかです。
気分の落ち込みや体調が本調子でないと、まず予定を作ることができません。
そのため、予定を作ることができるという点も回復具合を見ていくうえで重要です。

そして、予定をたてたら今度は”実際に予定通りに行動できたか”どうかを確認することが大切で、それが③のポイントです。
予定通り行動できているという点も回復具合を判断するポイントになります。

そのようにして、生活リズムが整ってきたら今度は「行動記録表」を用いてより充実した生活の方法を探っていきます。
ポイントは”ささやかな行動の変化を取り入れてその変化を味わうこと”です。
ささやかな行動の変化とは、例えば…
・ボランティアに参加する
・部屋の環境を変える(植物や花を買ったり、写真を飾ったり、家や庭の掃除をする)
・一日の決まった時間、あるいは特定の出来事が起きたとき、していることを止めて、肩
 から力を抜き、深呼吸をする
・笑える映画や、温かい気持ちになる映画を見る
・かつて楽しんだ活動をしてみる
・周囲を見渡して、人間観察をしてみる
・普段とは違う道で帰る
などです。
大きすぎる変化は、大きなストレスとなるため、”ささやかな”が重要です。

ささやかな行動の変化を行ったら、その変化をしてみて、どうだったのか意識的に振り返ります。
振り返ってみて、役に立ったのであれば、日常生活に取り入れて、役に立たなければ、違う方法を考えてみてください。
そのようにして、日常生活の行動を変化させていきます。

そのため「行動記録表」は休職中だけでなく、復職後もより良い生活を築いていくうえでとても役立つと思います。



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2018年2月13日火曜日

リワークにおいてあえて転職について考えること

休職してすぐの方やキウイを利用開始してすぐの方の中には、「本当に復職できるのだろうか?」と考え、復職するイメージが湧かなかったり、「転職した方が良いのではないか?」ということを考えたりする方が多くいます。
休職してしまうような強いストレスを経験されたのですから、このような考えを抱いてしまうのも不思議なことではないように思います。

そのため、キウイでは、そのような方のそのような気持ちを受容しつつ、「転職するかどうかの判断は、ひとまず置いておいて、とりあえず、キウイに参加していき、休職に至るまでの流れを振り返ってみましょう」とお伝えしています。
そのようにして、キウイにプログラムに取り組んでいく中で、だんだんと復職するイメージが湧いてきて、復職する方がほとんどという印象です。

キウイは、復職支援のデイケアですので、「転職したい」気持ちは好ましくないのではと感じられる方がいるかもしれません。
しかし、転職を考える気持ちというのは、元いた職場に復職する上でも重要な面があると言えます。

休職してすぐの利用者様は、安心して、休職原因を振り返ることが必要です。
しかし、「本当に復職できるのか?でも、自分には今の職場でしか働くことができない」という不安な気持ちが強すぎると、それがプレッシャーになり、安心して休職原因を振り返ったり、リワークプログラムに取り組むことができません。
むしろ、そのような不安な気持ちが強すぎると、体調や気分の悪化につながってしまいます。
そのような場合に、今の職場以外に「逃げ場」としての転職という気持ちがあると、不安を和らげることができ、安心して休職原因を振り返ることができます。

また、実際に復職する場合にも、「転職することもできるし、転職も検討したけれども、それでも、やはり元いた職場に復職した方が良い」という心境に至って、復職することは、結果として、元いた職場への復職意欲を強めると考えられます。

これらの理由から、元いた職場へ復職することを目的とするリワークでも、あえて転職について検討することは有益なのではないかと思います。



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2018年1月11日木曜日

認知行動療法のメリット「セルフケア」


キウイでは、認知行動療法をプログラムに取り入れており、このキウイ日記でも何回か認知行動療法について投稿しています。
リワークでは、休職原因を分析し、対策をたてる作業が必要です。
その方法は、各リワーク施設で様々かと思いますが、キウイでは、認知行動療法を通して、その作業を行っています。

先月のキウイ日記で紹介した問題解決療法も認知行動療法の一つです。 

では、なぜ?キウイでは休職原因の分析と対策検討に認知行動療法を用いているのかについては、認知行動療法が①再発の防止に有効で、②リワーク利用者の方にも理解しやすいと考えられるためです。
これについては、2017年6月12日のキウイ日記「 なぜ認知行動療法がリワークで行われるのか?」でも、触れています。 
しかし、①再発の防止については、あまり触れられていなかったので、今回は、その点について、ご説明しようと思います。

認知行動療法が、再発の防止に役立つと考えられる理由は、認知行動療法はセルフケアを目的としているカウンセリング技法だからです。

セルフケアとは、困難を抱えている人が自分の力で自分を助けたり、支えたりすることです。
一方、カウンセリングは、カウンセラーがクライエント(相談する人)の話を聴くことと捉えている方が多いかと思います。
そのため、”セルフケアを目的としているカウンセリング技法”ということについて、不思議に感じられる方もいるかと思います。
確かに、認知行動療法を用いたカウンセリングの初期では、カウンセラーがクライエントに認知行動療法について説明し、カウンセラー主導でクライエントの困難状況に対して対策を検討していきます。
その結果、クライエントの困難状況は解決するかもしれません。
しかし、認知行動療法は、それで終了とはなりません。
認知行動療法の終了は、カウンセラーが行った説明をクライエントが理解し、困難状況への対策の立て方をクライエントが学習することで、例え、カウンセリング以外の場面であったり、カウンセラーがいなくても、クライエントが自分の力で困難状況を乗り越えられるようになること(セルフケア)だからです。
セルフケアを目的としているカウンセリング技法”とは、そのような意味になります。

そして、このセルフケアが行えるようになることで、例え、復職後に困難な状況が発生しても、キウイを卒業された方が自分の力で、その困難を乗り越えられる(再発を防止することができる)と考えられるます。

以上が再発を防止する上で、認知行動療法が有益な理由です。


ぜひ、キウイを利用される方々が、認知行動療法を応用していただいて、復職し、持続的に働き続けてほしいなあっと思います。



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