2019年3月20日水曜日

悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ


キウイ日記でも紹介した2月のプレゼンプログラムでは、評価者が提案内容をよりリアルに体験できる工夫をしたチームが勝利しました。

この結果は、感情について考えるうえでもとても重要だと思います。
2月のプレゼンプログラムのテーマは、『キウイの皆で楽しめる30分程度のレクリエーションを企画する』でした。
ポイントは、評価者に企画したレクリエーションを楽しいと感じてもらうことです。

では、そもそも楽しいという感情は、どのように生じるのでしょうか?

感情が生じる過程を説明する理論は、様々なものがありますが、その中の1つにジェームズ=ランゲ説というものがあります。
これは、刺激・状況によって生じた身体反応(笑う、泣くなど)が、感情体験(楽しい、悲しいなど)を引き起こすというものです。
提唱者であるジェームズは、「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」と説明しています。
すべての感情がこの理論に従って生じるわけではありませんが、この理論を支持する研究結果も報告されています。
例えば、「不機嫌な時の表情」と「笑った時の表情」をペンを使って強制的につくり、漫画の面白さを評価したところ、「笑った時の表情」の時の方が漫画をより面白いと感じたそうです。

この理論は、今回の軽レクの結果にも当てはまるかもしれません。
文字を使って具体的にレクリエーションの面白さを説明するのではなく、
評価者に実際にレクリエーションを体験してもらい、笑ってもらうことで、より楽しいと感じてもらえたのではないかと思います。

感情は、頭を使って理解して生じるものではなく、身体を使って体験して生じるものなのだと思います。

うつ病の治療では、憂うつな気分を和らげ、ポジティブな気分(嬉しい、楽しい)を取り戻していくことが必要です。
そのためには、ただ休み、「あまり考え込んだり、悩んだりしないようにしよう」と頭で考えるだけでは不十分です。
行動をし、笑うという体験をすることで、ポジティブな気分を喚起することが必要です。

ぜひ、気分の安定を図るために、積極的にいろいろな行動をしてみてください。

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