2020年4月23日木曜日

『感染症対策状況下での生活の工夫』についてプログラムを行いました


新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、私たちの生活は様変わりしました。
学校は休校となり、お店は休業となり、テレワークを導入する企業が多くなりました。
また、今まででは考えられなかった品物が品薄になったり、ニュースや新聞は新型コロナウイルスでいっぱいだったりしています。
そして何より、自粛を求められ、私たち1人1人が制限の中で生活をしています。

当然、キウイでも新型コロナウイルスの影響が出ています。
感染症対策を講じながらキウイを運営していることはもちろん、キウイ中の話題(ストレスを感じた出来事)でも新型コロナウイルスが出てくることが多くなりました。
キウイはリワークデイケアではありますが、復職を目指していくためには、日常生活での体調・気分の安定が不可欠です。
そのため、キウイでは感染症対策状況下での生活の工夫について心理教育を行いました。
その内容を今回は、少し紹介します。

まず、現在のような感染症に対処している状況下では、次のような感情を抱きます。

①恐怖と不安
②憂鬱や孤独
③怒りやイライラ


しかし、急激な変化であればあるほど、私たちはその変化に対応することで頭がいっぱいで、自分に生じている感情に気づけないかもしれません。
気づいたとしても、「そのような感情になるのは良くない」と思い、その感情を押しつぶそうとするかもしれません。
しかし、大切なのは、押しつぶすのではなく、その感情を抱くことは自然なことだと受け入れることです。

もし受け入れることができない場合、そのやり場のない感情は、「見える」特定の敵を作り出し、その敵を遠ざけようとします。
それは、つまり差別偏見です。
差別や偏見は、誰しもがされたくないものです。
そのため、差別や偏見が蔓延すると、それを恐れるあまり症状をなかなか打ち明けられなくなる方が多くなります。
これでは、感染症の収束はより困難なものとなります。

以上のことから、現在の状況下で過ごしていく際のポイントは、①自分の感情をしっかりと受け入れた上で、和らげ②不当な差別や誹謗中傷をしないことです。

具体的には、次のような工夫があります。
①日々、自分の心身の状態を落ち着いてチェックする
②出来る限り、普段通りの睡眠や生活リズムを維持する
③楽しくリラックスできる活動(ヨガやストレッチ)を生活に入れる。心地良い環境をつくる。
④積極的な活動(筋トレや勉強)の時間を作る
⑤家族や友人とのつながりを維持することに努める……オンライン飲み会、電話、ビデオ通話など
⑥苦しい状況を受け容れつつ、ポジティブ感情(感謝、喜び、安心、思いやり、希望)も感じられるようにする
⑦新型コロナウイルスに関する情報やニュースをずっと読み続けることはやめる
⑧社会的影響力のある人の適切な情報は広げていく
……適切な情報は判断がなかなか難しいですが、批判をしておらず、多様な価値観を尊重し、協力を呼び掛けているものです
⑨感染経験者の声に耳を傾け、広げていく
⑩医療や介護、公共交通機関、スーパーなど日常生活を支えている人をねぎらい、敬意を払う

ポイントや工夫は、以上です。

大変な状況続きますが、自分をいたわりながらお過ごしください。

【参考】
・日本心理学会 もしも「距離を保つ」ことを求められたなら:あなた自身の安全のために(Keeping Your Distance to Stay Safe)
・日本赤十字社 感染症流行期にこころの健康を保つために~隔離や自宅待機により行動が制限されている方々へ~.pdf http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200327_006138.html
・日本赤十字社 新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~
・日本心理学会 新型コロナウイルス(COVID-19)に関わる偏見や差別に立ち向かう(Combating bias and stigma related to COVID-19)

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