2018年1月11日木曜日

認知行動療法のメリット「セルフケア」


キウイでは、認知行動療法をプログラムに取り入れており、このキウイ日記でも何回か認知行動療法について投稿しています。
リワークでは、休職原因を分析し、対策をたてる作業が必要です。
その方法は、各リワーク施設で様々かと思いますが、キウイでは、認知行動療法を通して、その作業を行っています。

先月のキウイ日記で紹介した問題解決療法も認知行動療法の一つです。 

では、なぜ?キウイでは休職原因の分析と対策検討に認知行動療法を用いているのかについては、認知行動療法が①再発の防止に有効で、②リワーク利用者の方にも理解しやすいと考えられるためです。
これについては、2017年6月12日のキウイ日記「 なぜ認知行動療法がリワークで行われるのか?」でも、触れています。 
しかし、①再発の防止については、あまり触れられていなかったので、今回は、その点について、ご説明しようと思います。

認知行動療法が、再発の防止に役立つと考えられる理由は、認知行動療法はセルフケアを目的としているカウンセリング技法だからです。

セルフケアとは、困難を抱えている人が自分の力で自分を助けたり、支えたりすることです。
一方、カウンセリングは、カウンセラーがクライエント(相談する人)の話を聴くことと捉えている方が多いかと思います。
そのため、”セルフケアを目的としているカウンセリング技法”ということについて、不思議に感じられる方もいるかと思います。
確かに、認知行動療法を用いたカウンセリングの初期では、カウンセラーがクライエントに認知行動療法について説明し、カウンセラー主導でクライエントの困難状況に対して対策を検討していきます。
その結果、クライエントの困難状況は解決するかもしれません。
しかし、認知行動療法は、それで終了とはなりません。
認知行動療法の終了は、カウンセラーが行った説明をクライエントが理解し、困難状況への対策の立て方をクライエントが学習することで、例え、カウンセリング以外の場面であったり、カウンセラーがいなくても、クライエントが自分の力で困難状況を乗り越えられるようになること(セルフケア)だからです。
セルフケアを目的としているカウンセリング技法”とは、そのような意味になります。

そして、このセルフケアが行えるようになることで、例え、復職後に困難な状況が発生しても、キウイを卒業された方が自分の力で、その困難を乗り越えられる(再発を防止することができる)と考えられるます。

以上が再発を防止する上で、認知行動療法が有益な理由です。


ぜひ、キウイを利用される方々が、認知行動療法を応用していただいて、復職し、持続的に働き続けてほしいなあっと思います。



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2017年12月11日月曜日

プログラム説明「問題解決療法」

キウイでは、認知行動療法をプログラムとして取り入れています。
認知行動療法をより詳細にしてみると、認知再構成法や曝露療法など様々なものがあります。
そして、12月8日(土)は、それら様々ある認知行動療法の中から、「問題解決療法」をプログラムとして行いました。

問題解決療法は、ずばりストレス場面(問題)へのより良い対処を検討していく療法です。
具体的なステップとしては、下記のとおりです。

①問題状況を具体的に把握する
問題となっている状況を具体的に捉えていきます。
それこそ、「いつ、どこで、誰がいるときに、何が、なぜ、どのように」というレベルで詳細に捉えることが重要です。

②問題解決に向けて、自分の考えを整える
問題解決に取り組もうと思っても、「なんかだ怖い」「どうせ無理に決まっている」っというようなことを考え、なかなか解決に向けた取り組みを行えない時があります。
そのような時は、自分の考えを整えることが事前準備として、必要です。

③問題状況が解決または改善された状況を具体的にイメージする
問題状況が解決または改善された状況を具体的にイメージするとは、つまり、目標を設定するということです。
具体的なイメージを持てることで、より現実的な目標を設定することができます。
無謀な目標を設定してしまうと、それはそれで、問題に対して取り組むことに尻込みしてしまいますね。。

④問題の解決・改善のための具体的な手段を考え、検討する
目標を設定したら、いよいよ問題を改善するための具体的な手段を検討します。
まずは、ブレインストーミングで、できるだけ多くの手段を出し、その後、それら手段に対する有効性や実行可能性を検討します。

⑤行動実験のための具体的な実行計画を立てる
具体的な手段を考えたら、それら手段を組み合わせて行動計画を作ります。

8日のプログラムでは、④のブレインストーミングをグループで行いました。
グループで行ったことで、自分では思いつかなかった手段を知ることができたのではないかっと思います。
また、どの参加者の方も休職原因や現在、困っていることに対して、取り組んでいただきました。
それらに対する、行動計画が完成したことで、参加された利用者様の自信になったのではないかっと思います。
実際に、「今日作った行動計画をやってみようと思います」っとお話になっていた方も多くいました。
おそらく、今回作成された行動計画は、実際にやってみるとうまくいかないこともあるかと思いますが、うまくいかなかったら、その時に、どこがうまくいかなかったのか振り返り、行動計画を修正して、再び実行していただきたいっと思いました。
そのような繰り返しによって、利用者様の再休職予防につながるのではないかと思います。



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2017年11月14日火曜日

相談相手をつくること

厚生労働省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組を行っています。
そもそも「過労死等」とは、”業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害”のことを言うようです。
そのため、業務における強い心理的負荷による精神障害も、この過労死等防止啓発月間の対象となり、リワークを運営するスタッフとしても興味深い取り組みだと感じました。

過労死等防止啓発月間に加えて、厚生労働省は、「過労死等防止対策白書」を作成しています。
平成29年版過労死等防止対策白書によると、"仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、平成 27(2015)年は 55.7%"であるそうです。リワークで働いていると、仕事でのストレスをお聞きすることが当然ですが多いので、この55.7%という結果は低いなあっという印象を受けました。労働者の半分くらいの人が、ストレスを感じることなく働けているということなので、そのような労働者とストレスを感じてしまう労働者には、どのような違いがあるのでしょうね。

また、”「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる」とした労働者のうち、その内容をみると、「仕事の質・量」(57.5%)が最も多く、次いで、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」(36.4%)、「仕事の失敗、責任の発生等」(33.2%)”とのことです。この結果は、リワークスタッフとして利用者様と接している実感と一致するように思います。

そして、”現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて「相談できる人がいる」とする労働者の割合は 84.6%となっており、「相談できる人がいる」とする労働者が挙げた相談相手は、「家族・友人」(83.1%)が最も多く、次いで、「上司・同僚」(77.9%)”とのことです。ここで注目した点が、「相談できる人がいる」とする労働者が84.6%いるということです。うつ病や不安障害などになることなく、問題なく働けている方にとってみれば、相談できる人がいるのは当たり前と思われるかもしれませんが、リワークに通われる方の中には、「相談できる人がいない」と話される方も多くいます。また、良い相談相手になりえる「上司・同僚」に対して、苦手意識を持たれている方も多いように感じます。

そのような方に対して、リワークでは、まず「相談相手になること」が大切だと感じています。相談相手になるのは、なにもスタッフだけではありません。以前の投稿(ピアサポートに関するプログラム)でご紹介した「ピアサポート」のような、同じ立場にある利用者様も相談相手になりえるでしょう。そのようにして、相談相手になったら、次は、リワーク以外の場で相談相手を探したり、作ったりすることが大切で、どのようにしたら作れるか考えることもリワークでは重要だと思います。


そのような関わりが、リワークにおいては必要だと、この白書を見て、考えました。


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2017年10月17日火曜日

ピアサポートに関するプログラム

皆さんは「ピアサポート」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
主に、教育系でよく耳にする言葉ですが、他にもさまざまな分野においてピアサポートの重要性が挙げられています。
①小・中・高校の学校
②大学
③青少年活動
④成人のコミュニティ(子育て中の母親、精神障がい者など)
⑤ビジネス・企業・組合
⑥国連・ユニセフなどの国際組織  

ピアサポート(peer support)の「peer」は同じ立場にある仲間、「supprt」は助ける・支援するという意味があります。
そのため、単に学校の領域だけではなく、幅広い世代や領域で、仲間同士での支え合いの活動として行われています。
かたやまクリニックのリワークデイケアでは主にうつ病の人が復職するため、社会に復帰するために参加しています。
ピアサポートの概念を通して見ると、専門家ではなく、同じ精神疾患を抱えている者同士だからこそ、分かり合える部分も大きいのではないかと考えています。

今回、1つのトレーニングを紹介します。「感情のふれあい」というトレーニングです。
我々は他者の感情を読み取る際にどんなものを情報をするでしょうか?
相手の言葉や、表情、動作、しぐさ、声の調子などさまざまです。
「そのときは非常に悲しかったんです。「悔しい思いをしました。」など相手の言葉から感情を聴き取ることができれば理解も簡単ですが、
微妙な感情や気持ちであるほど言葉では表現できず、むしろ非言語から感じ取ることが多いのです。
そのため、日常生活の中では相手を理解できていると思っていながら、理解できていないばかりか、誤解している場合も少なくありません。
話し言葉でも誤解があるくらいですから、非言語的な表情・しぐさ動作からの理解はますます誤りが多くなることも事実です。

「感情のふれあい」というワークでは、ある感情に自分はどのような反応をして、表現するのか。また他者はどのような表現をするのか。そして実際の対話の中で感情を確認し合うことを体験していただきました。

まず、感情を表す言葉にはどんなものがあるかを各々で出していただきました。
例えば「怒り」を表す言葉であれば、イライラ・ムカムカ・不愉快・むかつく
「喜び」であればドキドキ・ワクワク・嬉しい・楽しい
「悲しみ」を表す言葉であれば辛い・寂しい・孤独
など、人によってさまざまですよね。
ある利用者さんがこんなことに気付きました。
『ドキドキって嬉しい時と緊張してる時、どちらのことなんだろう…?』
確かに高揚感からくるドキドキと緊張感からくるドキドキだと含まれている感情はずいぶん違ってきますね。

人によってある感情を表す言葉はそれぞれ違うこと、そしてバリエーションは多く持っていた方が自分の感情を客観的に知ることができるのではないでしょうか。


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2017年9月12日火曜日

キャリアデザインに関するプログラム

皆さんは「キャリアデザイン」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
キャリアデザインとは、生涯を通じての職業選択にかかわることのみならず、過去の学生生活や家族との生活、余暇や学習などの時間といった今まで歩んできた道のりを踏まえて、今後どのような道を歩んでいくと充実した生活になるのかを考えていくことです。

つまり、これから先の人生を歩んでいくう上で、「今現在、どんな自分であるのか」「これまではどんなことをして、どんなものが育まれてきたのか」「将来から見て今はどうか、これから手に入れていきたいものは何か」といった過去・現在・未来を振り返っていくことが重要となります。

では、実際にどのようなプログラムを実施しているのでしょうか?
キャリアデザインを描いていくうえで、自己理解を深めることは欠かせません。そこで今回は『希望について~これからやってみたいこと~』というプログラムについて紹介します。

「希望」というのは、将来に対する期待、または見通しという意味があります。
人は誰しも希望を持っており、それは個性が備わったものでもあります。そこで、子どもの頃から持っている憧れの職業を振り返り、その頃の希望を思い出しながら今現在や今後のビジョンに繋げて考えていくこととしました。

まずは子どもの頃に憧れていた職業を思い出していただきました。
・教師
・弁護士
・スポーツ選手
・海賊       …などなど
皆さん個性的なものばかりで、実際にその職業についていた方もいらっしゃいました。

これを踏まえて、子どもの頃に憧れていた職業の共通点について考えていただきました。
共通点を探すのに、苦労した方もいらっしゃいましたが、その職業の生き方に強く感銘を受けた方もいれば、自分の好きなことであるから、という方もいらっしゃいました。
また、転職活動中の方の中には子どもの頃の憧れを実現させようとしている方もいらっしゃいました。

そして最後に子どもの頃になりたかった職業を思い出しながら、今後の人生でやってみたいことを考えていただきました。
利用者さんの中には「子どもの頃、好きだったものを始めたい、研究したい」と仰る方もいれば、今の仕事の経験を活かして別の職業に就きたい、などさまざまでした。

「希望」というものはそんなに大そうなものではありません。自分の好きなことや憧れていることを実現したいと思うのは人間にとって当たり前の欲求だと思います。
実際に「子どもの頃の夢なんて…」と思う方もいらっしゃるでしょうが、過去を振り返ることで、自分が好きだったことや大切にしていたことを省みる機会になったのではないかと思います。
これから先の人生、どうなるのかは誰にも分かりませんが、どの道が正しかったのかも誰にも分かりません。

大事なことはこれから先の人生をどう歩んでいくか、まずは自分のことを知ることからだと思います。


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2017年8月22日火曜日

旅行に関するプログラム

8月もお盆を過ぎましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
お盆のお休みを利用して、旅行された方も多くいらっしゃると思います。
最近のキウイでは、「旅行」をテーマにしたプログラムが多くなっています。

まずは、ディベートです。
8月14日は、「旅行をするなら国内?海外?」というテーマで、ディベートを行いました。
国内チームからは、
・日本の四季を楽しむことができること
・海外に比べれば費用が抑えられること
・国内旅行をすることで、結果として、その地域の経済に貢献できること
などが主張されました。
一方、海外チームからは、
日本では経験できないような体験ができることについて、実際の体験談をもとに主張をされていました。
また、最近では、非常に安く海外へも旅行ができることを具体的な値段を示して、話をされていました。
両チームともに、熱い戦いを繰り広げられました。
そして、結果は、僅差ですが、国内チームが勝利されました。

また、最近、新しく始めたプログラムにプレゼン大会があります。
7月31日のプレゼン大会のテーマは、「8月にオススメの旅行プラン」でした。
日程や場所、費用、観光スポット、交通手段、宿泊地などを調べて頂いて、旅行会社が作るパック旅行のようなプランをチームで作ってもらうものです。
当日は、3チームに発表をしてもらい、

①富士山と御来光
②一泊二日なごやの旅
③夏休み 那須2泊3日 JR+レンタカーの旅

が提案されました。
各チーム、絵を用いたり、そこでの体験談を話したり、評価者の趣味に合った観光スポットを紹介するなど工夫されていました。
最終的に、一番、評価の高かったプランは、「一泊二日なごやの旅」でした!

そして、8月21日のプレゼン大会でも同じように旅行のプランを提案していただきましたが、今回のテーマは、「9月の3連休にキウイのみんなで旅行をする際のプラン」という設定で、取り組んでいただきました。

今回は、日程は9月の3連休、場所は大阪・京都と指定をしました。

日程と場所を指定したことで、7月31日よりもより具体的なスケジュールを各グループとも提案していたように思います(乗車する新幹線の時間を決めているグループもありました)。
また、他のグループと被らないように、オススメのイベント(岸和田だんじり祭り)や穴場スポット(京都の大原)を提案するグループもありました。
参加者がキウイの利用者であることを考慮し、人が多い場所よりも、静かで癒されるような場所の方が良いだろうと考えるグループもありました。
各グループ、違いを生み出そうと、とても趣向を凝らしていました。

このように旅行を扱うプログラムを、最近、多くやっていますが、会社を休職されている方の中には、引きこもりがちな生活を過ごされている方が多くいます。
そのような方が、このようなプログラムを通して、外の世界に少しでも目を向けられるようになれば良いなあっと思っています。
実際に、プログラムの感想で、「プレゼン大会をやったことで、実際に、そのプランで旅行したくなりました」っという感想を聞くと、とてもうれしく思います。

引き続き、「旅行」をキウイで扱っていこうと思っています。


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2017年7月13日木曜日

2017年7月のディベート&フォーマルデー

先月からキウイでは、「フォーマルデー」という日を設定しました。

普段のキウイでは、運動療法のプログラムもあるため、利用者の皆様には動きやすい格好で来ていただいています。
しかし、キウイは復職を目指すデイケアであることから、「たまには、仕事を意識した格好をする日があってもいいのでは?」といういう話が起こり、そのような日を設定することになりました。

仕事を意識した格好なのでスーツとは限りません。
仕事での格好が作業着の人もいれば、私服の人もいると思います。
また、利用者様の状態によっては、仕事の服装を考えただけで、ストレスを感じられる方もいます。
あるいは、休職したことで太ったり、痩せたりと体形に変化が生じる利用者様も多くいます。
そのため、フォーマルデーを通して、「格好の面から仕事を意識したり、回復度合いを確認すること」「体形の変化に気づくきっかけになること」を目的としています。

そのようなフォーマルデーですが、月に一度、ディベートプログラムの日に開催しています。
仕事を意識した格好で行うことで、ディベート自体も引き締まったものになっているように感じます。

今月のフォーマルデーは、7月10日(月)でした。
その日のディベートのテーマは、「フランスにおける『オフラインになる権利』を本邦においても、導入すべきか否か」でした。
『オフラインになる権利』について、知らなかった利用者様も多く、皆さん、熱心に調べ、賛成・反対それぞれの立場から主張をされていました。
結果は、賛成派が勝ちましたかが、今までのディベートの中でも一番の接戦となり、両チームともディベート後は達成感溢れる表情をされていました。

来月以降も引き続き、ディベート&フォーマルデーを恒例プログラムとして行っていく予定です!


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